「渋谷ではたらく社長の告白」を読んで 〜Part11〜

今回で全て読み終わりました。最初に読んでいた時は、学生の時から自意識が高く、会社を設立してたった2年で上場するまではもちろん上手くいかないこともあったが、割と上手く行って成功談が多かったのですが、ネットバブルが崩壊後、株価が低迷し、株主からの批判が藤田社長に集中しました。ライバル企業からは買収話がいくつも持ちかけ、急拡大したツケで、社内も混乱を極め始め、藤田さんは、株価対策に奔走するが、効果は全く出なかったのです。社内外から激しい突き上げを受け、絶望の淵に立たされ体重も9キロ落ちてしまうなど、周りから段々追い詰められて行く様子に、読んでいて心苦しくなりました。2004年に努力の末、黒字に戻すことができました。

ただ、学生の時から

「21世紀を代表する会社を作る」

という言葉がこの本の中で何回も出てくるのですが、これは現在の企業のビジョンとしても掲げていて、上手くいかない時もこの目標に向かって努力を惜しまず信念を貫く精神力の強さに感動しました。

この本を読んで、藤田さんのような目標に向かって強い情熱を傾けることは、簡単には真似出来ないと思うけれど、これを参考に、自分の目標を見つけ、自分のペースで目標に向かって努力をすることが大切だと思いました。

「渋谷ではたらく社長の告白」を読んで 〜Part10〜

インターネットを軸に営業を代行する会社であったが、自社で製品やサービスなどを開発して会社の軸にしようと、独自にクリック保証型システムを作ることになりました。試しに唯一会社でちょっとプログラミングできる学生に頼んだものの、出来上がったのは話にならないレベルでした。システムが出来上がる前に数々の会社とすでに取引を成立させて納品期日までもう時間がないという時に出会ったのが、当時プログラマーとしてオン・ザ・エッヂという会社で仕事をしていた堀江貴文さんでした。システムを来週まで作って欲しいと無理難題を言っても、実際に完成させ、その後システムに不具合が起きても、堀江さんがサイバーエージェントまでバイクを飛ばして来て、簡単に終わらせて帰ると言った感じでなんとか乗り切っていました。

今回2章を読み終わって堀江さんとの関わりが書かれていて面白かったです。藤田さんと堀江さんが仲がいいのは知っていましたが、有名になる前から2人が出会っていたのが意外でした。藤田さんは売ることは得意だけど、売りたいものが作れなくて悩んでいて、堀江さんは作ろうと思えば大抵のもの作れるけど、それを売ってくれないと金にならないからと困っていて、当時はお互いに足りないものを補う関係が築かれていたとは思ってもいませんでした。

会社の設立当時から、目標として週110時間労働を掲げていて

「週110時間ということは、9時に出社するだろ、そして深夜2時まで仕事する。それを平日5日間。あとは土日に12時間ずつ働くと110時間だ。」と言っていて110時間という数字に恐ろしいと思いました。ただ、時間が重要ではなく仕事に集中していることによって好循環に早く乗せることを重視していて、有り余る時間をインターネットの勉強や次の事業の発掘にあてていました。週に110時間の仕事の量から生み出す質と利益は、普通の人と同じぐらい働いていたら生み出せないことで、実際に目標に掲げたことをやり抜くということは、私も見習わなければならないことだなと思いました。

P155まで読みました。

「渋谷ではたらく社長の告白」を読んで 〜Part9〜

当初に居たバイトの電話番の女の子と、インテリジェンス時代の先輩が、会社を始めて1ヶ月ほどで辞めてしまい、急いで新しい人材を見つけようと、藤田さんや日高さんの友人を片っ端から誘うものの見つかりませんでした。石川さんみたいにバイトだけど社員同様に働いてくれる人を無料で求人広告を載せられるサービスで載せたところ、高学歴の学生が次々と応募し、10名ほどバイトを採用します。ただ、日給に見合わない仕事量に、藤田さんの創業の辛い思いを学生達に共有することは難しかったのです。

そのため、社員を採用しようと、設立3ヶ月の社員ゼロにもかかわらず、新卒採用を行い、採用コンサルティングの経験から、大学で配布されたメールアドレスは、@の前の学籍番号を連番に変えて片っ端から送り続けました。その反響は、100名以上の説明会の応募で、最終的に7名に内定を出しました。

その一方で、会社の経営処理は限界が来ていて、藤田さんも日高さんも元は営業マンで、2人とも経理が得意ではありませんでした。通帳には20万で、売り上げは増えているけど、お金が入るのは2ヶ月先なのであまり良くない状況に陥りました。そこで、藤田さんのオックスプランニング時代に、経理をこなしていた宮川さんという女の人に声をかけ、最初は断られたものの、後に転職し、資金調達方法に詳しい彼女のおかげで、一応、当面の資金繰りの目処がついたのです。

今回読んだところで、今まで働いて出会った人のおかげで、会社の危機を免れることができ、今までの起業してきた仲間もそうですが、人との出会いがとても大事だと気付かされる章でありました。

P132まで読みました。

「渋谷ではたらく社長の告白」を読んで 〜Part8〜

会社名を「サイバーエージェント」と決め、インターネットを軸に営業を代行する会社としてスタートする二週間前のこと。宇野社長に新しい事業の立ち上げで営業力を必要としている、ウェブマネーの高津祐一社長を紹介され、提携することが決まります。

気持ちが少し楽になったまま、ついに会社をスタートします。最初の10日間は、インテリジェンスのオフィスの一部を間借りし、常務の日高、バイトの石川、バイトで電話番女の子と、同じく結婚退社していた先輩の5人が初日に集まりました。

そしてその月に、インテリジェンスの蒲田副社長から、日経の記者が取材をしたいと声を掛けられたのです。インテリジェンス時代、メディアへの露出が仕事の追い風になることがあった経験から飛躍できるチャンスとして取材を受けます。

翌月の日経新聞に大きく記事が出て、1000万ほどの広告価値で、その日から提携の話が次々と舞い込み、今まで培ってきた藤田さんの強みである営業力と、インターネット業界は理系の人が多く営業力が弱いといったところに目を付けたことが、注目を集め始めたんだなと思いました。

今回読んだところで驚いたところは、電話で相手が分からないところがあったら黙ってうなづいて、時折相手が言ったことを繰り返して、分からないところはメモしてみんなで勉強をしていたそうです。それでも提携が次々と決まるのには、もちろん営業トークの上手さと、人数が少ない中、個々が立場を自覚した上でインターネットの知識を増やして行く努力があったからだと思います。

P107まで読みました。

「渋谷ではたらく社長の告白」を読んで 〜Part7〜

3人でスタートをし、宇野社長にオフィスのことについて相談をします。藤田さんは

「間借りで始めたベンチャーに成功例はないよ。」

という宇野社長の言葉に納得し、紹介された不動産で10件近く物件を見に行きます。悩んで最終的に決めたのは、原宿の明治通り沿いにある月40万円の物件でした。オフィス使用の敷金礼金、必要な家具など取り揃えると、集まった1000万円の半分以上がいきなり消えてしまうことになります。不動産の人に大丈夫かと心配されるが、藤田さんは

「はい、頑張りますから。」

と返しました。

その言葉に責任感とプレッシャーが感じられ、言葉に凄く重みを感じました。リスクを取ってまで、会社の雰囲気を大事にしようとしていて、常人では出来ない覚悟が伝わってきました。

P87まで読みました。

「渋谷ではたらく社長の告白」を読んで 〜Part6〜

ゼロからの起業

創業メンバーを2人失い、人を集めるところから始めました。1人目は内定者を集めた研修でチームを組んだ同期入社の友人である日高祐介。2人目は、就職する前に人材派遣会社で一緒にアルバイトをしていた石川篤を、学生なのでアルバイトとして入れて、3人で新たにスタートを切りました。

藤田さんが、最初の事業として考えたことは、インターネットでした。当時は、インターネットは商売に向かないと思われていた時代でした。ただ、宇野社長も藤田さんのプランに賛成し、社長の指示で、次の役員会で会社に出資する決議を取るために事業計画書を持っていきます。結局資本金の1000万円のうち700万円はインテリジェンス、残りは自分達で友人や親から借りて300万出資したそうです。

わたしが今回、読んだ中で印象に残ったことは

『経営には一切口出しをしない。』

という、宇野社長が藤田さんに言った約束の1つです。

この言葉は藤田さんを信用しているからこその言葉であり、事業計画の出資を決めたのも、ほぼ宇野社長の決断であり、宇野社長が藤田さんへ特別大きく期待しているのが分かります。また、宇野社長の一度言い出したら聞かない性格は、藤田さんと似ていて、そういうことも藤田さんへの信用、期待している部分であると思いました。

P82まで読みました。

「渋谷ではたらく社長の告白」 〜Part5〜

ある日、オックスプランニングセンターでアルバイトをし、大学時代から一緒に過ごしていた親友の中山から経営陣で内紛が起きたと電話が来ます。そして、前職内で上手くいかなくなった中山と、お世話になっていた渡辺専務の3人で起業しようと話が進みます。藤田さんは、今の会社を辞めるために、宇野社長に報告すると、

「渡辺くんとやるのをやめて、新会社の社長は藤田がやること。そして、その会社の50%インテリジェンスから出資してイコールパートナーにすること。」

と話を持ちかけられます。それを聞いて社長になれるチャンスがきた一方、専務と中山を裏切ってしまうことに戸惑ったが、自分が1番社長に向いていると考えるようになっていたのです。

2人に持ちかけられた話をし、渡辺専務は白紙にしようと口では言うが、その時点で起業計画から手を引き、藤田さんと疎遠になってしまいます。

中山も、話を持ちかけてきた宇野社長と話し合うが、納得行かず、結局起業を誓い合った仲間2人を失ってしまいます。

次章からは、ゼロから起業をはじめますが、これまで読んで見て、起業家には藤田さんのような自信と精神力が必要だなと感じた一方で、一度決めたことは曲げない藤田さんの性格が2人を振り回し、裏切ってしまうことになったので、誰かと一緒に何かをするというのは、どちらかが妥協することが必要だと思います。それが出来ていたら今回の起業計画は上手く進んでいた可能性もあったのかなと思いました。

P72まで読みました。